Kさん224価値の無い「初めて」
『ボクの生い立ちを教えたのはマリコちゃんが初めてだよ。』
笑いそうになった。
そんなわけない。
きっとこれは同情を買うための常套句なのではないだろうか。
それにしても価値の無い「初めて」だ。
私はこんな重い話をされたら、自分には受け止められないと感じて尻込みしてしまうが、おそらくそうでない女性たちが多くいる事だろう。
『そうなんだ…?』
と曖昧な私の返答がおそらく疑問形になっていたのだろう、Kさんが
『なに?疑っているの?本当だよ。』
と自嘲気味に笑った。
そう、自嘲気味。
(自信がないのに)自信満々のKさんにとって、今まで出していないパターンを出してきた。
ますます油断は出来ない(゚Д゚;)
今までもちょっと気を緩めると、次にはピリッと空気が凍り付くようなことを言ったり、大きな声を出したりされた。
『マリコちゃんは、こどものとき、どんな子だったの?』
私がこどもの時?
なんで?
と思ったが
『たぶん想像できないくらいの田舎で育ったから、イメージがわかないと思うよ(;'∀')』
と答えると、優しく
『想像してみるから言ってみてよ。』
などというではないか。
そこで私は、こどもの頃は近くの山や川が遊び場だったことを簡単に話した。
すると
『あ~だからか…』
ん?
だからってなに(;・∀・)?
また都合の良い解釈しちゃってるね。