無職さん⑳譲れないオシャレのこだわり
気を取り直して
「こんな感じが良いんじゃないでしょうか。」
とポスターを指さすと
「あ~…」
とあまり気乗りしない感じだ。
「あまり好みじゃないですか?」
と問うと慌てたように
「いや、そうじゃないんだけど、こういうパンツっていくつも持っているから、また同じのが増えちゃうかなって。」
(おそらく)何十年も前のユニクロのフリースを着ているという事は、きっとユニクロ愛用者なのだろう。
だからこのパンツと同じようなものを何着も持っていても不思議ではない。
だがきっとそれらはもうクタクタで、よれよれで、デザインも似て非なる物なのではないかしら。
それに関してもうこれ以上特に何も言う気がしなくなったので
「じゃあ今持っているものをもう一度見てみて、合わせてみたら結構使いまわせるかもしれませんね。」
と無責任な事を言って、ユニクロを出る事にした。
無職さんもそれに対して
「そうですね!確かにそうだ!」
と嬉しそうに言った。
「じゃあとりあえずこのTシャツ買ってきます^^」
とレジに向かって行った。
私はいったい男性に何を求めているのだろうか。
オシャレである事なんて、結婚相手に望んではいない。
その気持ちは今でも変わっていない。
だが無職さんの場合、一般的なオシャレではない(ことは間違いない)が、無職さんにとってはおそらくちゃんとしたこだわりがあって、譲れないポイントがあるのだろうと思う。