Kさん129口撃は最大の防御
「え…どうしてダメなの?」
まさか泊めて貰えないと思っていなかったので、結構驚いて聞いてみた。
『ボクは夜帰ってくる時間が深夜だし、朝は6時には出発するんだ。家に来てもらってもゆっくりしてもらえないから。』
と返って来た。
「時間は別に遅くても早くても関係ないんだけど。
それよりKさんご自慢のオシャレな部屋に行ってみたい。」
この時点で私は彼の部屋がおそらくオシャレではないのではないかと疑っていたので、嫌味が入ってしまった。
だがKさんはそうと思っていないようで
『マリコちゃんの事を迎えるには新しい家具を揃えてからにしたいんだ。』
と言うではないか。
「そうなの?一緒に住むんだから一緒に選びたいな。」
と探ってみたが
『家具はボクに選ばせて欲しいな。その代わりリビングと寝室のカーテンは任せるよ。』
と言われ
(あれ?こんなに具体的な事を提案してくれるって事は、私の猜疑心が強いのかな(;'∀')?)
と心配になった。
Kさんがウソつきでもこの際問題ない。
肩書や収入にさえウソがなければ。
「じゃあなおさらだよ!お部屋の雰囲気見てからカーテン選びたいもん( ̄▽ ̄)」
どうだどうだ?
『とにかく今回はダメだよ、急すぎる。
次に来る時まで待っていてよ。』
そこまで言うのなら…まあ(;・∀・)
「じゃあさ、仕事が終わってからってどう?〇〇駅(Kさんの職場がある駅)で待ってるから…。」
と言うとかぶせ気味に
『職場の近所で彼女と待ち合わせしているところなんて見られたら大変だよ、
ボクは職場でそういう風に見られていないんだから。
職場に恋愛を持ち込むなんて男として社会人として良識に欠けるよ。
そういう男性をマリコちゃんは好きなの?
だとしたら男というものを勘違いしているね。
仕事をしている姿にこそ男の本質というものがあらわれるんだ。云々』
(゚Д゚;)
Kさんの話があらかた終わったようなので
「はい」
と答えながら、自分(の嘘)を守るためとはいえ、どうしてこんなに次々と言葉が出てくるのだろうと、ある意味感心した。