Kさん⑮生い立ち自慢が死後に発展
生い立ちと言うほどのモノでは無いのかもしれないが、Kさんは生まれも育ちも東京23区だという事が彼の誇りの一つのようだ。
決して本人がはっきりとそう自慢しているわけではないが、何かにつけて
「東京では~」
という言葉を接頭語のように多様するところを見ると、自慢なのだろう。
単に私が地方在住だから、比較対象として使っているだけなのかもしれないが、決していい気持ちのしない言い方だ。
だがそこはまあ本人も悪気があって言っているわけでは無さそうだし、広い心で大目に見ることにしようではないか(-_-;)
と思っているのだが、とにかくしつこい接頭語。
例えばKさんの両親はそれぞれ病気で他界されているらしく、お墓も都内にあるという。
ここで田舎者の私は言うわけよ、Kさんが言いたいであろう言葉の呼び水のような事を。
『え、東京だから東京にお墓があるものなんじゃないの?』
当然の事のように言う私に、Kさんは電話の向こうでとても嬉しそうに
『東京ではお墓を自宅近くに持てるなんて一握りだよ。
田舎みたいに土地が余っていると思わない方が良いよね。』
と教えてくれた。
ふーん(*_*;
つまり東京にお墓を持っているオレって、ちょっと、いや実はかなりスゴイんだよって理解でOK?
『東京の皆さん、大変ですね。』
と他人事のように返してみたが、私はどこか山の中や海にでも散骨してくれて構わないし、なんなら加齢しても使える部位があるのなら、献体しても構わないと思っているほど、死後の扱いに希望は無い。
そもそも順番で言えば私の方があとから死ぬんだから、Kさんの承諾など得なくても良いんだけどね。
どこへ行く、死後の私。