東京⑮関東の距離感がわからない
次の人は個人事業主だった。
年収が800万円。
もちろん高収入なのかもしれないが、個人事業主の年収なんてあてにならない。
それに一つ前に43歳の大手銀行員の年収を見てしまったものだから、なんだか大したことないような気がしてくる。
人間、慣れって怖いよね。
そして34歳。てっきり20代だと思ったので驚いた。
さっきの銀行員のオッサンとの差たるや(;゚∀゚)
見た目も、恐らくこの参加者の中で一番オシャレで、ちょっとカッコイイじゃない。
でも私、ルックスより年収だから( ´∀`)
一応会話しないとね。
と思ったらオシャレさんは私のプロフィールを見て、ちょっと大きめのリアクションで言った。
「え?◯県って?」
前の二人と同じように、地方から婚活にやってきましたというていで説明した。
すると今度は呆れたように
「も~だめじゃん、参加しちゃぁ(-_-;)」
と言った。
そんなふうに言われても、確かにいきなりの遠距離恋愛を受け入れたい人なんてそうはいないと思うので
「あ、やっぱりそうですか?ごめんなさ~い( ゚∀゚ )」
と努めて明るく言った。
好みでないから特になんとも思わない。
するとオシャレさん、発した言葉を後悔したのか
「いや…ウソだよ。本気で結婚を考えているっていうことなんでしょ?それなら良いよね。」
軽く突き放すような言い方だが、なんとなく優しさが感じられた。
私達がカップルになることは無さそうだが、まあとりあえず運営の方々の手前、会話をしようと思い、職業について聞いてみることにした。
「自営業ってなんなんですか?」
「セレクトショップのオーナーだよ。」
「社長さんなんですね、すごい!それに、オシャレだなぁって思っていました。」
と素直に褒めると、すごく嬉しそうに
「え、そう?」
と笑顔になった。
あら、なんかカワイイじゃん(・_・;)
などと好感を抱きそうになったが(ダメダメ、自営業者なんて危険がいっぱいだよ。)と、冷静な自分が押し留めてくれた。
ふ~あぶないあぶない(;´Д`)
私のそんな気持ちとは裏腹に、彼は褒められたことがよほど嬉しかったのか
「◯県じゃなくて、せめて千葉、埼玉ならなぁ…。」
などと言い出した。
私はというと
(千葉も埼玉も栃木も、なんなら茨城も東京と同じじゃないの?)
と、心で驚いていた(;´Д`)
そんなこんなでちょっと気になる存在になってしまったオシャレさんが去ってちょっと寂しい気分だというのに、次の人には落胆させられる事になった。
次の人、それは…