Mさん⑳伊達に似ているから困るのだ(-_-;)
仕事に行く時間が迫ってきた。
Mさんはまだ話し続けているが、そろそろ切り上げなければならない。
「お話しの途中なんですが、そろそろ行かないと…」
と切り出すと、Mさんは特に気を悪くするでもなく
「あ、そうだね、ボクも行かなくっちゃぁ」
と微笑んだ。
時間はあっという間だった。
ほぼMさんの話を聞くだけで終わってしまった感があるが、会話もなく終わってしまうような相手より遥かに良いのではないだろうか。
私は残ったコーヒーを飲み干しながら、さっきのMさんの言葉を思い出した。
誰に似ているか…
Mさんが自分を誰に似ていると思いこんでいるのか知りたい気もするが、知ってしまうとそれに対してコメントしなければならない。
触れずにおこう
「あ、そうだ」
Mさんが手を口に当てて言った。
なになに?
「コーヒー飲み干したら教えてるって言っちゃったね。」
触れずに置こうと思ったのに、Mさんは許してくれなかった
「あ~…誰だろう(;´∀`)」
「身長が高い俳優さんだよ」
すっげ~いっぱいいるんじゃね?(-_-;)
「う~んわからないです^^;」
「そっかぁ、じゃあ言うね。
◯◯に似てるってよく言われるんだ。」
(゚∀゚)
や、あのね、本当に書きたいんだけど、こういうのどこで誰と繋がっているかわかんないから、ボカしておきたいんだ。
でもホントにビックリした。
だって見ようによっては似てるから。
かなり身長が高い、50代の有名俳優さんだ。
その俳優をものすご~~~~~~~く貧相にして、痩せさせた感じ。
私は言った。
「あ、ホントだ~~~~・・・似てます~~~~~(;´∀`)」
周囲の人々、絶対耳をそばだててるし、Mさんの事チラ見してるよね?
なんなら私にも、好奇の目を向けてるよね。
Mさんはお店を出るとすぐにかかってきた電話に出るため、胸元からスマホを取り出して、「ごめんね。」という表情を作ったが、私もいつまでも待っていられないので、「ごめんなさい」という表情を作ってその場から去った。
コレがMさんとの面会のあらましだ。