「彼氏」⑬全然似ていませんけど(゚A゚;)
サクライくんの性格がちょっと歪んでいるなあということは理解したのだが、だからといってせっかく出来た彼氏なので、すぐに別れるなどという選択肢はない。
完璧な人間などいないのだから、あとは私がどう対応していくかということくらいだろうと思うの。
この日は二軒目に行くことになった。
2人で歩きながら見つけた、お酒を飲めるカフェだ。
平日ということもあり、お店には私達しかいなかった。
そこで一番広いソファー席に向かい合って座ったのだが…。
あれ、彼が誰かに似ている。
あ、わかった…。
すぐに子役時代から出ている有名な俳優さんの名前が浮かんだが、口には出さなかった。
その子役さんがイケメンとは程遠いので、嬉しくないだろうから。
「なに?」
私がうっとりと見つめているとでも思ったのか、彼がカッコつけて聞いた。
「あの、誰かに似ているなって思って?」
彼は待っていましたとばかりにこう言った。
「そうだね、当ててみて」
出た。
こういう人いるよね(-_-;)
何歳ですか?→何歳に見える?と同じ種類の返し。
私は答えを持っているが、カッコつけた態度からは、おそらくその答えが正解でないことは想像できる。
「う~ん、わからないな、教えて^^」
仕方ないなあという風に片方の口角を上げて言った。
「何人もいるんだけど、代表的なところで
ミスチルのサクライ
だよ。」
ミス…?
…(;゚∀゚)
………(;´Д`)
というわけで、彼のことを(ミスチルのサクライに似ていると思い込んでいる)サクライくんと呼ぶことにしたのであった。