「彼氏」⑥店員さんを呼ぶ方法
「とりあえずお店に入りましょう。」
彼が事前に当たりをつけておいたらしいお店に入った。
今更だが彼の名前はサクライくんとしよう。
理由は後から伝えたい。
「初めてなんですが、以前から外から見て良さそうだなと思っていたので。」
お店は飲食店が入るビルの3階なのだが、確かに外からの雰囲気はとても良さげだ。
こんなお店をチョイス出来るなんて、年下なのに頼もしい。
金曜日だというのにお店が空いていたのは、21時をまわっているからだろうか?
先に飲み物を頼み、2人でメニューを見ながら食べ物を選んだ。
改めて近くで見ると、パーティーではなかなか個性的…いや、若々しいデニム姿だったが、今日はスーツ姿でとてもいい感じだ。
なんだか楽しいじゃない(*´ω`*)
サクライくんがメニューの『オススメ』を見ながら言った。
「一品目のオススメは汲み上げ豆腐か…。どうですか?」
なかなか淡白なオススメだが、最初の注文には向いているかもしれない。
「あ、じゃあそれにしようかな。」
サクライくんが手を上げて、遠くにいる店員さんに声をかけた。
「すみません。」
え、飲み物が来た時に注文したらいいんじゃない(^_^;)?
と思ったが、まあ無理に止めることもないか。
店員さんは気付かなかったようで、サクライくんはもう一度店員さんに呼びかけた。
パンパン👏💥
「すみません!」
え(゚A゚;)?
なんだか今すごいもの見ちゃってる気が…。