「彼氏」㊸別れのセリフを考える
「どれ、みてあげよう。」
占い師のモミモミは、なんだかとても怪しく見えたが、私の心が濁っているからかもしれない。
などと思っているとはるかちゃんが
「あの、結構です(゚A゚;)!」
と、ちょっと毅然として言った。
ど、どうなるの(゚A゚;)ゴクリ?
占い師は途端に不機嫌になって
「じゃあコレで終わり。3,500円ずつ」
と言った。
あ、そんな感じね(-_-;)
占い師の妻から静かに
「ありがとうございましたm(_ _)m」
と頭を下げられ、私達はそそくさと退散した。
帰りのエレベーターでの会話は
「見えてたよね?」
「奥さん、イヤじゃないのかな?」
「冷たい視線が注がれていたよ。」
「ぎゃ~~~~っ(;´д`)!」
だった。
後から調べると、占い師はマッサージ師の仕事もしているらしい。
いやらしい気持ちなど全く無かったのかもしれないが、当のはるかちゃんが不快に思ったのだから、正解だっただろう。
結局当たっているのかどうなのかも怪しい占いだったが、別れても次の相手はすぐに現れるという一切現実味の無い言葉を信じて、私はサクライくんとお別れすることにした。
たった1ヶ月とちょっとの短いお付き合いだったなあ。
しみじみ
さあ、いざ別れようと思っても、どう言えばいいか。
傷つけずに別れるなど不可能だとわかっているが
ストレートに
「別れてください」
あなたが悪いんじゃないけど
「他に好きな人ができました」
気を遣って
「私みたいなババアにあなたのようなワカモノはもったいない」
など悶々と考えていると、サクライくんからラインが届いた。
ああ、デートの確認ね。
別れ話をするのに会うのって、どんよりするわぁ。