Kさん③経歴詐称疑惑
Kさんは私の住む地域に興味があると言った。
『マリコちゃんがもしそこにすみたいなら、ボクが定年したらそっちにマンション買っても良いよね。
今住んでいるマンション売ったら余裕で買えるはず。』
私も今は東京に住みたいと思っていても、年を取ったら親戚が近くにいる方が良いのではないかという気持ちもある。
もし親が倒れたりなんかしたら、介護も大変そうだし。
と、考えたくもない現実もそう遠い話ではない(-_-;)
そんな時にもKさんの経済力は安心材料だ。
依存と言われれば依存だけど…。
『今度会いに行く時に行きたいところがあるんだよ。◯◯っていう温泉地知ってる?学生の頃合宿した事があるんだ。』
Kさんは学生時代あるスポーツでかなり活躍をしていたらしい。
『もう少しで日本代表だったんだけど、身体の大きくなれなかったのが一番のネックだよ。』
確かにテレビで見るそのスポーツの日本代表選手たちはとても大きい。
そしてかなり筋肉質でムキムキしている。
失礼ながらKさんのお腹はぽってりしていて、筋肉とは無縁の気がする。
もう少しで日本代表だなんて、本当だろうか…。
いや、私も決してプロに限りなく近いスポーツ選手“だった”人と親しくしているわけではないので、もしかしたら筋肉というのはそのスポーツをやめたらすぐに落ちてしまうものなのかもしれないと思った。
そんな私の思いを打ち砕くようにKさんは言った。
『今でも休みの日は小中学生に教えてるんだけどね。』
え(;´Д`)?
まだ現役ってこと?
いや、教えているだけだから、現役ってことはないのか…。
う~む。