自転車さん⑱どこに売っていたの(;・∀・)?と聞きたくなるデザインの服を着ている人
半ば押し切られるような形で再び食事することが決まった自転車さん。
これは優しさでは無い事を本当はわかっている。
誰にでもいい顔をしようとするのは、私が誰からも嫌われたくない臆病者だからだ。
『◯駅の近くに行きたい店があるから連れてくね!』
一応聞いておこう。
『何ていうお店ですか?』
『カレーうどんのお店なんだ』
か、カレーうどん(;゚∀゚)?
それ限定?
デートでカレーうどんかぁ(;´Д`)?
名前を聞いてネットで調べてみると、カレーうどんのお店ではなくお蕎麦屋さんで、お蕎麦の出汁で作っているルーという事が有名らしかった。
それならカレーうどんではなくて他のお蕎麦を食べればいいや。
で、当日、やってしまった…。
仕事の後新幹線の中でビールを飲む事が楽しみの一つなのだが、今日は自転車さんとの面会があるのでやめておこうと思っていたのに、すっかりいつもの習慣でビールとナッツを買ってしまったのだ。
いいや、飲んじゃお(-_-;)
プシュー!!
と書くと、まるで2時間も3時間もかかりそうな場所に移動していると思われるかもしれないが、せいぜい30分の距離だ。
到着したときにはビールとナッツでお腹いっぱいになっていた。
大丈夫、お蕎麦くらい入るよ^^;
と思ったが…
仕事のあとはあまり食欲がわかない。
お腹いっぱいの私はすぐに自転車さんを見つけてしまった。
今日は仕事帰りなだけあってスーツを着ているが、スーツの上に着ているコートが酷い。
茶色と辛子色の間くらいの色で、肩にフリンジのようなものが付いているのだ。
フリンジで笑顔の自転車さんが私に手を振っていた。
肩フリンジはかなり悪目立ちしており、その悪目立ちさんが手を振っているのは誰なんだろうと、通り過ぎる人が全員私を見ているような気がする。
毎回被害妄想が激しくなる(-_-;)
「カレーうどん、ここからすぐなんで安心してください^^」
しかも一言目がカレーうどん。
そして今日ばかりはかなり歩いても構わなかったのだが(;´Д`)
案内されたお店は本当にすぐだった。
駅の構内と言っても過言ではないくらい直ぐ側だった。
かなり有名なお店らしいが、時間が遅いこともあってすぐに入れた。
今日は30分位待っても良かったのに…。
自転車さんはかなりお腹が空いていたようで
「カレーうどん定食にしよう。」
と座るなりメニューを開いてそう言った。
私は最初から決めていた。
「ざるそばお願いします^^」
「え?それだけ?」
「私、お蕎麦が大好きで、今日はお蕎麦屋さんって聞いてから、お蕎麦が食べたくて仕方なかったんです^^」
「そっか、願いが叶って良かったね^^」
ね、願い(-_-;)?