高収入さん㉝ 感情的な人が苦手な理由
田舎道だけあって、帰り道はすっかり暗くなっていた。
「これだけ暗いと、道が見えづらくなっちゃうねぇ。」
そ、そう?
これも年齢のせいなのだろうか。
いわゆる…老眼(;´∀`)?
でも私はもちろん言うの。
「ですよねぇ、これで雨なんて降ってきたら更に見えないですよね。」
って。
そうそう、高収入さんは車の中でラジオを聴くのが好きらしい。
ちょうどラジオでは男女のナビゲーターが好きなタイプについて話していたのを受けて、高収入さんが言った。
「好きなタイプってどんな人?」
好きなタイプ…(;´Д`)
それはルックスの話なのか、結婚するにあたり理想のタイプを聞かれているのかわからなかったが、とりあえずどちらにしても絶対譲れない条件を口にしてみた。
「頭が良い人っていうのがどうしても譲れない条件です。」
「頭が良い…?」
「漠然としてますよね。
お勉強が出来るでも構わないんです。
男女ともに言えることかもしれませんが、私には絶対わからない事を知っている人に魅力を感じるんです。
だから「オタク」と呼ばれる人にはある意味尊敬をしています。」
「へぇ…性格とかどうでもいいの?」
性格かぁ。
正直言って高収入さんは性格が良いとは言えない雰囲気だ。
「どんな性格っていうのも難しいんですが、感情の波が出来るだけ少ない人が良いですね。」
思えばこの理想は(年末年始の短い付き合いながらも)元彼サクライくんの事が頭に浮かんだからだ。
「高収入さんはどんな人が好きですか?」
思いがけない言葉が返ってきた。