「彼氏」⑱バーモントカレーの甘口
※とうとう2018年も終わりだが、予約投稿なので気にしないで欲しい。
「ボクなら運転手に悪いと思うから絶対に寝ないけどね。」
ああ、不機嫌の理由はそれでしたか(;´Д`)
私は自分が運転士ている時、助手席でパートナー(友人でも)に寝てもらっても全く構わない。
だが今こうして寝てしまった立場で言っても説得力がないので言わない事にする。
言い訳も面倒だし、これ以上謝るのも卑屈なので、もう何も言わないことにした。
観光地の駐車場に停めて私達はメインストリートを歩き、雰囲気のいいカフェを見つけた。
その頃にはサクライくんの機嫌も直ったようで
「ここ良さそうだね!」
と自ら言い出した。
お店は年配の女性が一人でやっているようで、客は私達だけだった。
窓際の席に着きすぐに注文した。
「私はブレンド」
「ボクはココアだな」
え、ココア。
まあ美味しいよね。
「甘党なの?」
「う~ん、コーヒーなんて苦いだけで美味しさがわかんないもん。」
まあ私もコーヒーはわからないので、オーソドックスにブレンドと言ったまでだ。
「カレーもバーモントカレーの甘口しか食べない」
へ、へぇ(;・∀・)
幼い頃に祖母が作るカレーは全てそれだったなぁと思い出した。
あ、でも確か別れた奥さんはカレーもルーから作る本格派では?
なんて事聞いたら墓穴を掘りそうなので言わないけど。
運ばれてきた飲み物には、ご当地銘菓らしい小さなお菓子が付いて来た。
砂糖が全体に付いているクッキーのようなお菓子だ。
あまり好みではなかったので言ってみた。
「これも食べる?」
「いいの?やった!」
勧めておいてなんだが、ココアに砂糖の塊まで(^_^;)
よほど甘いものが好きらしい。
扉が開いて、年配の男性が一人、店員の女性に話しかけた。
漏れ聴こえて来る話によると、どうやらご夫婦のようで、夕飯の相談をしているようだ。
仲が良さそうで微笑ましい。
だがサクライくんは違う感想を持ったようだ。
鼻で笑ってこう言った。
「一応カフェなのに、所帯じみてるっていうか、田舎っぽいよね。」
カチン(-_-)
何にカチンと来たか、私にもよくわからないのだが、おそらく内容より、小馬鹿にした態度にカチンと来たのだ。
きっと結婚しても、私の家族を今みたいに鼻で笑うのだろうと思った。
続く
予約投稿のまま年を越しちゃう。
それでは皆様良いお年を