Kさん156この人がKさんなら…
昔付き合っていたカレシが沸点の低い人だったというフミヨちゃん。
「カレシが怒り始めたら、無表情で真正面から目をそらさずに見つめてやってたよ。
…という態度が別れた原因と言えばそうかもしれないけどね(^.^)」
確かに、Kさんのように怒鳴り散らす人には、洞察力があって、頭の回転の速いフミヨちゃんのような人は敬遠されそうだ。
うまくできるかどうかはわからないが、今度Kさんが怒り始めたらそうやってみようと思った。
「ちょっと聞いていいですか?」
コレは私達二人のどちらのセリフでもない。
実はさっきから、隣に座った、おそらく普通の企業に勤めている風のスーツ姿の男性二人組の存在が気になっていた。
その二人組の一人が話しかけてきたのだ。
気になると言っても、別に好みというわけではなく、Kさんの怒りスイッチに怯える暮らしをしていると(ごく普通の男性ってこうだよね、イイよね…)みたいな、ないものねだりの気持ちがムクムクと湧き上がってくるのだ。
その気になる存在が話しかけて来たので驚いたが、営業スマイルとでも言おうか、ビジネス笑顔で答える私。
「はい、なんですか?」
男性Aが言った。
「それ、なんですか?」
“それ”とは、最初に頼んだお刺身盛り合わせの事だ。
だがこのお刺身、独特のお皿に盛られ、このお店独特の、口にするのがためらわれるような照れる名前が付けられている。
メニューを指さして
「コレですよ。」
と伝えると
「あ、それか~。ありがとうございます!
すみませ~~~~ん!」
と言って元気に店員さんを呼んだ。
なんとまあ好感の持てる態度。
フミヨちゃんがボソッと言った。
「Kさんがその人みたいなら良いのにね。」
(゚Д゚;)//
フミヨちゃんに心を読まれているようで、怖いんですけど~っ(;´∀`)