ナオミ⑤仲間()を売るオンナ
下品な職場上司から童貞を暴露されて、静かに俯く天パくん。
雨に濡れたワンコのように物悲しさを誘っている。
🐶キュ~ン
だがオッサンたちは更にノってきたようで、天パくんをからかい始めた。
天パくん、私は筆下ろしの相手にはなり得ないけれど、その職場で働いている事に激しく同情するわ(゚Д゚;)
シモネタを交わす術はこの年なので身につけているが、異性(私ね)の目の前で仲間を貶すような下品な会話に、いつもの自慢の笑顔は出来ない。
ふふふと静かに笑いながら嵐が過ぎるのを待つばかりだ。
ふとオッサン①が片方の広角を上げたまま言った。
「あれ、マリコさんはこういう話苦手?」
あまりにしつこいので少し笑顔も消えかけていたかもしれない。
やべ(-_-;)
「あ、すみません、この年令で恥ずかしいんですが、経験豊富というわけではないので、おっしゃっている事のほとんど理解できなくて。ごめんなさい。」
どうだ??
カマトト過ぎたか?
或いはオバサンのイタい冗談だと思われたか?
答えが出る前に、私を救う声が聞こえた。
「マリコさん!どこですか!?」
タイミングよく向こ~~~~~~~~の席から声をかけてくれたのは、いけ好かないオンナ、ナオミちゃんだった!
ナオミちゃん°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
若さとスタイルと男ウケに嫉妬してごめん。
なになに??こっちに来なくていいよ、私が行くから!
「ちょっと失礼しますね^^;」
そそくさと立ち上がって(特に仲良くもない)ナオミちゃんの元へと走ったのだった。
オジサンたちのシモネタに辟易していた私は、特に友達でもない、寧ろ苦手なオンナ、ナオミちゃんから呼ばれて犬のように飛んでいった🐩ワンワン
「なになに?どうした?」
ナオミちゃんは隣に座るずんぐりむっくりの男性を紹介した。
「コウノさんです。この中で一番年上なんだそうです。
マリコさん、年下ダメって言ってましたもんね^^」
おい(# ゚Д゚)
ここでナオミちゃんにサツイを覚える事になろうとは。
確かに年上が希望だが、このメンバーの大半が年下で、しかもずんぐりむっくりさんを充てがわれた私は、もう他の男性を物色する事を、半ば強制的に諦めざるを得ないではないか💢
「それじゃ私、みんなの様子を見てきます!」
あ~そういうこと…(-_-;)
ナオミちゃんはコウノさんから気に入られて困っていたというわけだ。
それで私に押し付けた。と。
イライラするわぁ(; ゚∀゚)
だからといって、ある意味犠牲者のコウノさんを放ってどこかに行けるほど最低な人間ではない。
「ナオミちゃんお気に入りだったんですよね?私が座っちゃってごめんなさい(^_^;)」
するとコウノさん
「いや、そんな事ないよ。向こうにいたの見てて、マリコちゃんって魅力的だなって思ってたんだよね。座ってよ^^」
と言って、前に乗り出してきた。
つまり
(オンナなら)誰でもいいオッサン
でしたとさ。
だが、いくら私が年いってて、図々しいにも程が有ると誰からも思われていたとしても、選ぶ権利は全人類にあるのだ。
ヽ(`▽´;)/
非常に申し訳ないのだが、コウノさんの顔は生理的に受け付けないタイプの顔だったの(;´д`)
少し話をしたらまた移動しようと思っていたとき、隣に男性が座ったのがわかった。
だ、誰(゚Д゚;)??
この沼地から救ってくれる、あなたこそ王子様からし?