初のお見合いパーティー⑯「モテる」と言う男
明るいところでヅラさんの頭部を見てカップルになったことを後悔した。
無理無理、やっぱり無理ヽ(`▽´;)/
でもいくら無理だからって、このまま帰るなんて出来る(;´Д`)?
出来ないよね~大人として。
参加費ももったいないし(-_-;)
ヅラさんが
「お腹空いていませんか?」
と言うので、本当はペコペコだったが
「パーティーの前に食べてきちゃって^^;
お茶でもいかがですか?」
と、お茶に誘うことにした。
問題は、この辺りは仕事関係の人々が大勢ウロウロしている可能性が高いということ。ふと思い出した。
通りを一本入った、ちょっと奥まった場所にある、ちょっとお高いコーヒーの専門店のことを。
「そこのコーヒーが美味しくて^^」
「ああ、コーヒー良いですね。」
おお、助かったコーヒー好き!
思惑など何も知らないヅラさんは私の提案に乗ってくれたε-(´∀`*)ホッ
私の誘導でお店まで案内することに。
今日はこの後打ち合わせがあるためスーツを着て来た。
もしここで誰かに会ったら「仕事関係の人だった」と、後から言い訳しようと思ったが、誰にも会うこと無く目的の店に着くことが出来た。(*_*;ホッ
「お好きなものをどうぞ」
と言われたのだが、実は私、コーヒーに特に興味がない。
ただ、このお店のコーヒーゼリーがとても美味しいのだ。
コーヒーに誘っておきながらどうかと思ったが、コーヒーゼリーを注文することにした。
するとヅラさんも
「へぇ、じゃあボクもそれにしてみようかな^^」
とコーヒーゼリーを2つ頼むことになった。
え、 コーヒーが好きなら飲めばいいのに(・_・;)
私は別に合わせてもらわなくても良いのだが、”相手に合わせられる”と受け取れば、気遣いのできるタイプって事になるのかもしれない。
なので
(ヅラじゃなければ)結構モテるんじゃないかしら(^.^)
…と思ったのも一瞬のことだった。
会話の流れで、彼の職業である『福祉関係』に話が飛んだのだが、どうやら生活保護の仕事をしているようだ。
「受給者にはかなりモテるんですがね」
え?モテるって、あ、冗談かな(^_^;)
「あ~…モテちゃいますか^^;ふふふ」
「そうなんですよ、抜き打ちで訪問して現状調査するんですが、すごい誘惑されるんですよ。ほぼ半裸みたいな感じで迫って来られたりしますよ。
自分も男なんで据え膳食わぬは~とか思っちゃいますよね。
あ、絶対にありませんよ!ぐふふ」
こう話すヅラさんがすごく下品な表情だった。