初のお見合いパーティー⑨喋り続ける男
次はどんな人と話すのだろうとチラリと隣を覗き見ると、そこには
頭部が不自然な人が座っていた。
私は自他ともに認める高精度のヅラセンサーを持っている✨
そのセンサーが反応しているのだからまず間違いない。
(;´∀`)
誤解のないように言っておくが、私はハゲもボウズも決してキライではない。
正直に言うと有るに越したことはないとは思うが、(カザマさんに惹かれておきながらなんだが)一番重視しているのは知性なのだ。
一番イヤなのは、隠したズラを告白される時だ。
隠している以上それはコンプレックスなわけで、それを告白となったら明るくはしてくれないだろう。
いや、明るくされても気を遣ってしまう。
ああ、次はヅラさんかぁ(-_-;)
司会者から合図があり、とうとうヅラさんがやってきた。
「はじめまして^^」
おやおや(;゚∀゚)?
コレは意外!
ヅラさんはちらっと見ていた時よりとても感じの良い男性だった。
プロフィールカードには
「福祉関係」
と書かれていた。
今度は給料を見逃さないようにしなければ
650万( ゚∀゚ )?
いいじゃないの、いいじゃないの^^
福祉関係の公務員?なんだろう。
そのまま聞いてみた。
「異動はあるんですが、今は市役所の福祉課にいるんです。」
なんだ、市役所で良いのに。
公務員らしい真面目さってことにしておくか(;・∀・)
年齢は私と同じ35歳らしいが、ヅラのせいなのか40歳前後に見える。
もしヅラを取ったならきっと45歳前後に見えてしまうのではなかろうか。
不憫だ(T_T)
(ヅラさえなければ)こういうマジメな感じは結構好きだなぁ。
ん?
私は彼の趣味に惹かれた。
『登山🗻』
それは運動嫌いの私が出来る、数少ないスポーツの一つだ。
田舎育ちで、少しでもアウトドア感のある事がしたい私には、「登山」は向いているのではないかと思っている。
「登山って興味があるんです。ヅラさんはどんな山に登るんですか?」
「えっ!本当ですか?
いや~女性には理解されないと思っていたのでとても嬉しいです。
日本ではトレーニングに◯◯山とか◯◯山をトレッキングする程度なんですが、最近は夏休みにブルガリアに行ってきました。うんちゃらかんちゃら^^」
ぶ、ブルガリアですか(*_*;?
え~と、ブルガリアってヨーグルトと琴欧洲以外知らないんですけどぉ(;´∀`)
ヅラさんはブルガリアの自然がいかに美しかったかということについて熱く語り始めた。
あ~…。
この時間、初対面の人の旅レポ聞く事になるの?
「あ、良くないですね( ゚д゚)ハッ!!」
残り時間が少ないことにヅラさんも気づいてしまったか
「フリータイム、来ますのでよろしくおねがいします^^!」
と言って去っていった。
う~む、喋り続ける賢い人か…。
ヅラは(恐らく)許せるし、給料も趣味も良い。
候補に入れよう( ゚∀゚ )ニヤニヤ