あなたはダレ?
ユウコさんの"彼氏”となった人は、ユウコさんから誘われて行った趣味のオフ会に来ていた。
元々ユウコさんと私はその趣味を通じて出会ったのだ。
負け惜しみと思われることを承知で書くが、彼は素朴…というより野暮ったく、オシャレのかけらもなく、もしかしたら交際経験も無いかもしれないというタイプだ(一応オブラートに包んでみた)。
まあそんな容姿も、そもそもオタク色の強い趣味なのでいたって普通だ。
御本人に失礼だが、調子の悪いときの荒川良々(アラカワヨシヨシ)に似ている。
年齢は私達より年下だったが、失礼ながら年上だろうと思っていたほど老けている。
ユウコさんの態度ですぐに“彼”を気に入った事がわかって
驚くのなんのっ(゚∀゚;)!
確かユウコさん、あなた
高橋一生が好みのタイプって言ってたじゃん(;´д`)
まあ、理想と現実はかけ離れているものだ。
私の理想はもう長年野間口徹だしね。
私は自然を装って“彼”に声をかけ、3人で話を始めることに成功した。
更に自然を装って、二人きりにしてあげたのはこの私だ。
上から目線と言われても事実だからしょうがない( ゚∀゚ )
帰り際ユウコさんはしみじみと言った
「マリコさん本当に今日はありがとう。」
えへへどういたしまして(*´▽`*)
その夜、仕事のメールチェックをしようとパソコンを開くと、オフ会タイトルが件名となった、個人名入りメールが届いていた。
※こんな感じ
『「秋のレース編みの会」でお会いした山田太郎です』
あくまでも例えなんで。
レースどころか髪も編めないんで。
はて(*_*)?
山田さんが誰なのかさっぱり見当もつかなかった。
内容も当たり障りの無い挨拶文で、読み進めてもさっぱり誰だかわからなかったが、Facebookのお友達登録を希望している旨が書かれていた。
オフ会で出された安いワインのせいで思考力も落ちていた為、検索も返信も明日にしようと眠りについた(*´∀`)
相手が判明したのはその日の深夜だった。
ユウコさんからメールで目が覚めた。
『今ね、彼からメールが来たよ!以下転送(笑)』
(笑)って(+_+)
そう、すぐに気づいた。
私にメールをくれていた山田さんは、ユウコさん意中の“彼”だった。